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白血球が少ない

「白血球が少ない」と指摘された方へ

「白血球が少ない」と指摘された方へ「白血球が少ない」というのは、血液中の白血球数が通常の範囲を下回った状態です。白血球は、細菌やウイルスなどの外敵と戦い、免疫力を維持する役割を果たします。通常、成人の白血球数は約3,500~9,000個/μLとされていますが、これを下回ると「白血球減少症」とされます。
白血球が少なくなると、体の免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。主な症状としては、発熱、喉の痛み、咳が長引く、口内炎、皮膚の化膿や膿瘍が挙げられます。重症の場合、肺炎や敗血症など、命にかかわる感染症に進展することもあります。
白血球が少なくなる原因としては、ウイルス感染、薬剤(特に抗がん剤や抗生物質、抗てんかん薬など)、放射線治療、自己免疫疾患、骨髄の機能異常などが考えられます。治療は原因に応じて行われ、白血球の数を回復させるための薬剤が使用されることがあります。


「白血球が少ない」ときに見られることがある症状

  • 化膿が長引く
  • 傷が治りにくい
  • かぜが治りにくい
  • 発熱
  • 喉の痛み
  • 口内炎が出来やすい

など


「白血球が少ない」原因となる病気

再生不良性貧血

再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞が正常に機能しなくなり、白血球、赤血球、血小板がすべて減少する病気です。原因の多くが不明ですが、薬剤やウイルス感染、放射線などが関係することがあります。症状は、貧血による疲労感や出血傾向、感染しやすくなることが挙げられます。治療には輸血やステロイド、免疫抑制剤、トロンボポエチン受容体作動薬の投与が行われます。重症の場合には骨髄移植などの造血幹細胞移植が検討されます。

ウイルス感染症

ウイルス感染により、白血球が一時的に減少することがあります。特にインフルエンザや風疹、エプスタイン・バールウイルス(EBウイルス)感染などが原因として挙げられます。発熱や倦怠感、喉の痛み、リンパ節の腫れなどが主な症状です。血液検査で白血球数の減少が確認され、対症療法が中心の治療となります。

無顆粒球症

無顆粒球症は、白血球の一種である顆粒球が急激に減少し、感染しやすくなる状態です。抗がん剤や抗生物質、バセドウ病に使用するチアマゾールなどの薬剤やウイルス感染が原因となります。急激に高熱、喉の痛み、呼吸困難、化膿などの症状が現れることが特徴です。血液検査で顆粒球の減少が確認され、治療では原因薬剤の中止や感染症治療、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を使用して白血球の回復を促します。

骨髄異形成症候群

骨髄(血液の工場)にある、血液細胞の元となる造血幹細胞の異常が原因となる病気です。血液細胞の不良品を作り、赤血球、白血球、血小板が正常に作られなくなります。以前の抗がん剤治療や放射線被曝がリスク要因とされています。症状には貧血による疲労感や皮膚のあざや出血、感染リスクの増加があります。診断には骨髄穿刺が必要です。治療は、低リスクの場合は無治療経過観察や輸血、エリスロポエチン製剤の注射を投与することがあります。高リスクの場合は、アザシチジンという抗がん剤投与、骨髄移植などの造血幹細胞移植が考慮されます。

全身性エリテマトーデス(SLE)

全身性エリテマトーデスは、血液中の免疫細胞が自身の臓器や組織を攻撃してしまう自己免疫疾患です。白血球に含まれる成分の1つである、リンパ球の減少が見られることがあります。顔に特有の蝶形紅斑が現れるほか、関節痛や腎臓、心臓の障害、発熱などが主な症状です。血液検査で抗核抗体や抗ds-DNA抗体の検出により診断され、治療にはステロイドや免疫抑制剤が使用されます。

巨赤芽球性貧血

ビタミンB12や葉酸の欠乏により発症する貧血ですが、白血球減少も引き起こすことがあります。
ビタミンB12や葉酸の欠乏により、赤血球が正常に成熟できなくなることで発症します。赤血球の赤ちゃんである赤芽球が異常に巨大化し、正常な赤血球が不足します。原因として、ビタミンB12欠乏は胃炎や胃切除により吸収不良、葉酸欠乏は摂取不足(過度の飲酒や低栄養)、妊娠時や授乳時の必要量増加が知られています。特に、胃粘膜から分泌される内因子(ビタミンB12 の吸収に重要)に対する抗体ができることで、ビタミンB12が欠乏する貧血を「悪性貧血」といいます。症状には、貧血による疲労感や息切れ、神経症状(しびれや運動障害)が見られます。診断は血液検査で行い、治療は欠乏しているビタミンの補充が基本となります。


「白血球が少ない」に関するよくある質問

白血球が少ない状態で注意すべきことは何ですか?

白血球が少ない場合、感染症にかかるリスクが高まるため、手洗いやマスクの着用など基本的な感染対策を徹底することが重要です。また、生ものや加熱不十分な食べ物は避け、栄養バランスの取れた食事を心がけることも大切です。

白血球が少ないときに特定の食事や生活習慣で気をつけることはありますか?

栄養不足が白血球減少の原因となる場合もあるため、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。ビタミンB12や葉酸など、血液の生成に関わる栄養素をしっかり摂取することが大切です。過度なストレスや疲労は免疫力を低下させるため、避けることも推奨されます。また、免疫力が落ちるため、極端に白血球が少ないときは生ものの摂取に注意が必要です。

白血球が少ないと感染症にかかりやすくなりますか?

白血球が少ないと免疫力が低下するため、感染症にかかりやすくなります。通常であれば体内に侵入した細菌やウイルスを白血球が撃退しますが、白血球の数が減るとその防御機能が弱まり、感染症にかかるリスクが高くなります。

白血球が少ない状態は治りますか?

原因によりますが、適切な治療を受けることで白血球数は回復する場合が多いです。例えば、薬剤による副作用で白血球が減少した場合、薬を中止することで数値が改善することがよくあります。また、治療や栄養管理により白血球数を正常範囲に戻すことが可能です。

子どもでも白血球が少ないことはありますか?

子どもでも白血球が少なくなることがあります。子どもの場合、ウイルス感染、薬の副作用、自己免疫疾患、または骨髄の異常が原因で白血球が減少することがあります。子どもの体は感染に対する防御力が弱いため、特に注意が必要です。

白血球が少ないことで生活にどのような影響がありますか?

白血球が少ない状態が続くと、感染症にかかりやすくなるため、日常生活で注意が必要になります。例えば、感染症予防のために人混みを避けたり、衛生管理を徹底することが必要です。過度なストレスや疲労は免疫力を低下させるため、避けることも推奨されます。

白血球減少の予防方法はありますか?

白血球減少を予防するためには、バランスの取れた食事を心がけ、栄養不足を防ぐことが重要です。また、過度なストレスや疲労を避け、適度な運動を行うことも免疫力を高めるために役立ちます。医薬品が原因で白血球が減少する場合は、医師と相談し、薬の調整を行うことも予防に繋がります。

白血球が少ないとワクチン接種は受けられますか?

白血球が少ない状態では、感染症にかかるリスクが高くなるため、予防接種は重要ですが、免疫系に影響を与える状態でワクチン接種を行う際には慎重になる必要があります。特に生ワクチンは免疫力が低下している場合には避けることがあり、医師の判断が必要です。ワクチン接種を受ける前に、医師に相談することが大切です。

白血球が少ない場合、運動しても良いですか?

軽度の白血球減少であれば、運動は問題ありません。ただ、発熱や咳など感染症の兆候がある場合は無理をせず、安静を保つことが重要です。また、免疫力が低下しているため、ジムやプールなど、多くの人が集まる場所は避けた方が良いでしょう。運動についても医師に相談することをおすすめします。

白血球が少ない状態は一時的なものですか、それとも慢性的なものですか?

白血球減少は一時的なものと慢性的なものがあります。風邪やウイルス感染が原因であれば一時的に白血球が減少し、回復とともに数値も正常に戻ります。しかし、自己免疫疾患や血液疾患が原因の場合は、慢性的に白血球が少ない状態が続くことがあり、定期的な治療や経過観察が必要です。

白血球が少ないと食事に注意する必要がありますか?

白血球が少ない場合は、免疫力が低下しているため、食事には注意が必要です。特に、生ものや未加熱の食品は、食中毒などの感染リスクが高くなるため避けた方が良いでしょう。また、ビタミンB12や葉酸などの栄養素を含む食事は、血液の健康を保つために役立ちます。栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。

白血球が少ないと疲れやすくなりますか?

白血球が少ないことのみで疲れやすくなることはありません。ただ、白血球は体を守る免疫機能に重要な役割を果たしているため、減少すると感染症にかかるリスクが高まり、感染症になることで疲れを感じることがあります。また、白血球が少なくなる病気で貧血を伴うこともあるため、その際は疲れやすさを感じることがあります。

白血球減少と貧血は関連していますか?

白血球減少と貧血は、どちらも血液に関連する問題ですが、異なる原因によって発生します。ただし、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの骨髄の機能に問題のある疾患、巨赤芽球性貧血では、白血球と赤血球の両方が減少することがあります。

白血球が少ない状態が続くと、どのようなリスクがありますか?

白血球が少ない状態が長期間続くと、感染症にかかりやすくなり、風邪やインフルエンザのような軽い感染症でも重篤化する可能性があります。また、重篤な感染症や敗血症、肺炎などのリスクも高まります。慢性的な白血球減少は、骨髄の異常や自己免疫疾患の兆候である場合もあるため、医師による詳細な診断と適切な治療が必要です。

白血球減少は遺伝しますか?

白血球減少自体が遺伝するわけではありませんが、白血球減少を引き起こす特定の疾患には遺伝的な要因が関与することがあります。例えば、遺伝的要因が関連する血液疾患や自己免疫疾患の一部は、家族内で発生することがあり、それに伴い白血球が減少することがあります。